姿見七人化粧
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道庵がテーマにしている浮世絵は江戸時代初期に成立し
明治時代まで広く大衆に親しまれた絵画のジャンルのひとつで
最初は遊郭や芝居小屋などの「浮世」をテーマにすることが多かったのですが、
次第に美人画、役者絵、風景画、花鳥画など多岐にわたるようになりました。


道庵の浮世絵

道庵が特に浮世絵を題材に取り上げることが多いのは、
その斬新な構図、そして日本独自の平面的でありながら奥行きを
感じさせる表現が"押し絵"に最適だからです。

四季遊花之色香 上・下 喜多川歌麿
四季遊花之色香 上・下
 喜多川歌麿 

桟橋に寄せられた舟での恋の駆け引きは、
望遠レンズで捉えたかのように幾層もの奥行き感じさせる。
この歌麿の眼差しを、道庵は押し絵でみごとに表現。
ちりめんの豊かなテクスチャが粋な装束を浮かび上がらせる。
羽織の裾に隠れる女性を、透け感のある布を重ねて表現し
原画を尊重しながら新しい視点を与える。
道庵の押し絵は単に時代の風俗を
切り取るだけではない浮世絵を愉しむすべを
私たちに教えてくれる。

大童山文五郎とおきた・おひさ 喜多川歌麿
大童山文五郎とおきた、おひさ
 喜多川歌麿 

歌麿が美人画で名声を高めていた時期の作品。
子供相撲で人気を博した実在の怪童
大童山文五郎と江戸の看板娘を配している。
コントラストが愉しい見事な構図だ。
道庵は、その表情を忠実に再現。
立体感ある瞳や紅に見られるように、
控えめながら巧みな演出をしている。
同系色でも見事に古裂を使い分け、
現代に蘇らせた価値ある表現といえよう。

達磨図 河鍋暁斎
達磨図
 河鍋暁斎 

河鍋暁斎は、幕末から明治にかけて活躍した絵師で、
達磨を独自の視点で数多く描いた。
道庵はだれもが見知った達磨を表すのではなく
そのニュアンスを誇張して浮かび上がらせた。
その結果、豪快で親しみやすく、
自らに問いかける作品になった。


ヨーロッパの画家たちが注目したジャポニズム

浮世絵はその独自の表現が
ゴッホをはじめとするヨーロッパの画家たちに注目され、印象派などの美術運動に大きな影響を与えたことからも、日本の伝統工芸の素晴らしさを日本だけでなく世界に知ってもらうには最高の題材だと考えています。
道庵の押し絵のテーマは「いかに原画に似せるか」で、タッチはもちろん着物の色や柄選びを工夫し作品全体で原画の雰囲気を再現することを追求しています。
また押し絵ならではの立体感を出すために
細部に渡り細かな作り込みを施しているのです。

印象派などの美術運動に大きな影響を与えた浮世絵・錦絵
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